尊敬するミュージシャンのギターレッスンに行き、そこで学んだこと

尊敬するミュージシャンのギターレッスンに行き、そこで学んだこと
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昨日、とあるプロミュージシャンが個人で行っているギターレッスンを受講してきた。

僕自身ギターは10年以上続けて入るのだが、人から学んだことはなくレッスンというのも初めての経験であった。たまに本を読んだり人の曲をコピーしたりしながら練習していたのだが、どうにもうだつが上がらない状況だった。

僕はずっとオリジナルのバンドをやっていたのだが、ここ2年ほどそれが休止している。歌なしのインストのバンドでエレキギターと作曲を担当していた。幼いころからのミュージシャンの夢は諦めたわけではないが、どうにもそこに向かう道筋というか希望を持てない状況で、日々仕事などのやるべきことをこなしていく毎日だった。

そんな時、僕がずっと好きだったオルタナのミュージシャンの方がギターレッスンを行うと知った。しかも、僕が住んでいる関西でだ。

申し込むときは非常に躊躇した。なにせいま自分は2年も音楽から離れていて、将来どういう音楽家になりたいかも曖昧な状態だったから、方向性が曖昧なままレッスンとして僕が行ってもそのミュージシャンは僕には何を教えたらいいのかわからないんじゃないのかと思ったのだ。

しかし2年もずっとくすぶっていて、このまま音楽と離れたままズルズルと時間が過ぎていくのは嫌だ。とにかく今の状況を打破しよう。そんなつもりで、自分を放り込むような気分で人生はじめてのレッスンを申し込んだ。

正直、レッスン代は高かった。レッスン代だけでも近所のギター教室を2、3回受講できるくらいの金額がかかり、さらにスタジオ代もこちらが負担である。しかし、僕が尊敬しているミュージシャンであるということもあって、そんな金額なんてかすむほどにとても大きなことを教わった一日であった。。

弾き語りをやってみないか?

レッスンに申し込むときに、僕の状況をメールで赤裸々につづったメールを送った。2年間音楽と離れていること、音楽家になりたいが方向性がわからないこと、これまで基礎練習などはやってきたがどうステップアップしたらいいのかわからない、どうすればプロに近づけるのかわからないということ。

担当者の方が間接的にそのミュージシャンの方とやり取りしてくれて、そのメールを読んでもらった。すると、「アコースティックギターで弾き語りをやってみないか?」と提案してくれた。

そのミュージシャンと僕は面識があった。それこそ2年前までやっていたインストバンドで一度だけそのミュージシャンと共演する機会があり、僕の音楽性やなんとなくの趣向、人となりは知って貰えていた。そのうえで、エレキギターでインストを弾いていた僕に「アコギで弾き語り」を提案したのだ。

僕はそのミュージシャンが組んでいるバンドが好きで、その方はエレキギターでギターボーカルをやっている。非常に激しい音楽を奏でながら驚きと遊び心ある演奏でとても惹きつけられる。そういったエレキギターの魅力的なプレイやギターテクニックを教えてもらうつもりでいたのが、まさかの弾き語りだ。

僕は昔から歌に自信が無く、弾き語りからは逃げていた部分がある。リズム感が良いとも言えないので歌いながら弾くのも苦手で、弾き語りが本当に上手い人たちが世界中にたくさんいるその中に自分が入っていく勇気が無かったのだ。

そのミュージシャンは作曲業もプロとして行っている。それを考慮するとおそらく「作曲の初心・基礎」として僕に弾き語りを教えてくれるんじゃないかと推理し、レッスンで弾き語りを教えていただくことを承諾した。

申し込んでからレッスンまでは1か月ほどあったが、その間使っていなかったアコギを引っ張り出して猛練習した。ひとつだけ弾きながら歌える曲があったのでとにかくそれを練習した。

レッスン当日

当日、スタジオに行くとその方がいた。僕は個人で仕事をしている分、いわゆる「偉い人」と会うことも少なくないので人と会うのに緊張することはあまりないのだが、この日はめちゃくちゃ緊張した。

会ってすぐに心がけの話を聞かせてくれた。それも自然な話の流れだ。そのミュージシャンが地元のライブハウスに出演しているのをよく見に行っていたが、激しい演奏でライブハウスの機材に体当たりすることもよくあった。その時の話をした時だ。

機材を痛めるほどの激しいパフォーマンスがそこでできるのは、それが許されているライブハウスというか、そことの関係性なんでしょうねという話をすると、「どこにいても自分はそういう奴だ、アイツはぶっ飛んだ奴だと周りに認識させることが大事なんだ」と。ミュージシャンたるもの、ビジネス的に人と話せる常識は持ちつつどこかで「スケールアウト」していかないと、ということを話していただいた。対面して早々の会話だったが相当心に残っている。

レッスン自体はまず僕が1曲練習していた弾き語りを行い、リズムと右手の力加減が問題だということでそこを重点的にレッスンを受けた。しかしその基礎的なレッスンの中でも、どうやったら客に安心感を与えつつ、空気を読みながら客を引き込ませるかというコツが織り交ぜられていた。

歌が上手い人、ギターが上手い人、腐るほどいるけどそんなものはクソくらえで、特別上手いわけじゃないけど「アイツなんかいいね」と言わせることが重要だと教えてくれた。

レッスンが終わった後も時間があったので、少しお話しした。作曲業のこと、ボイストレーニングのこと、日々の環境づくりのこと、レベルアップにはどうしたらいいかということをある意味「プロデューサー視点で僕をプロデュースするなら」という話し方をしてくださった。

自分に合う講師に会うことはめちゃくちゃ大事

今回はじめてのギターレッスンということだったが、そこらにある他のギター教室には通う気もなくすぐらい大きな一日となった。このレッスンにはいくら払ってもいいや、と思えるほどに。

例えばちょっとした話にしても、音楽の趣味が近いいわゆる「同族」として扱ってもらえたので、例えば「僕らのジャンルからいうと基礎連とかボイトレとかいうとつまんないんだけど」といった言い回しや「上手いだけのやつなんてクソくらえ」など日々僕の思っていることと同じとても近い感覚で話してもらえ、「オルタナミュージシャン」としての立ち回りや考え方を話していただいた。

おそらく値段や立地で選んだギター教室などに通ってもこうはいかないだろう。もちろん基礎連をしっかり積みたいという方にはいいかもしないが、ある程度弾ける人がそれより上のステージに行くにはと考えると、自分と同ジャンル、はたまた尊敬している人がレッスンをしていると飛びついていいんじゃないかと思った。

なにより尊敬する人に会うことは非常に刺激になる。その人のプレイを目の前で独り占めできるわけだし、その人だけの前で緊張で汗だくになりながら1曲歌ったのも非常に大きな経験になった。

「スケールアウト」今回のレッスンで最も僕が心に刻んだ言葉である。このブログももちろんそうだし、デザイン業やこれから続ける音楽など、掃いて捨てるほどの同業がいるなかでどれだけ自分をスケールアウトさせていくか、これから常に意識していこうと思う。

自分が尊敬するミュージシャンのギターレッスンを受けたら、技術だけじゃなく心の部分で大きなものを得ることが出来た、というお話しでした。

 

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